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アレルギーを知ろう

アレルゲン回避

アレルギー疾患の治療の基本は、①原因となるアレルゲンを回避すること、②症状軽減のための薬物療法、③アレルギー性炎症反応の抑制のための長期的な薬物療法、④病気を理解し、治療を継続することの重要性とその治療を維持することが大切であるという患者教育の実施です。
アレルゲン回避は、基本的な治療の一つですが、原因アレルゲンの回避のためには、十分な情報収集とアレルゲン検査によって原因アレルゲンを特定する事です。アレルゲンとなる物質は、アレルギーの病気の種類、その人が住んでいる生活環境、食生活、年齢などによって異なります。年少者では、食物が多く、年齢とともに環境性のダニ、花粉、ペットを飼っていれば動物のフケ、カビ、職業性に接触する物質により感作されていきます。
アレルゲンが特定されれば、上手にアレルゲン回避を行います。食物アレルゲンであれば、症状が誘発されないように原因食品を除去します。乳幼児期の鶏卵、乳、小麦などは比較的早期に耐性を獲得し除去が不要になることが多いので、適切な指導のもとでのアレルゲン回避が必要です。環境性のダニアレルゲンは、室内のジュウタン、寝具、布製ソファ、ぬいぐるみに多く生息するのでそれらの材質、管理を工夫することでダニアレルゲン量を減少させることができます。花粉アレルゲンは、マスクの着用、眼鏡の着用、室内に花粉を持ち込まない工夫が必要です。ペットアレルギーは、接触しないことが良いのですが、そうも行かない場合は、症状の程度に応じて飼育のルールを作ることが必要です。
発症してしまったアレルギー疾患に対しては、アレルゲン回避が重要ですが、予防的アレルゲンを回避する事は、特に食物では注意が必要です。子どもの食物アレルギーの発症を心配するあまり何でもかんでも親の自己判断で除去することは、その子の成長・発達に致命的な影響を及ぼすことがあるので専門の医師に相談してください。
アレルゲン回避は、症状を誘発させないために重要ですが、治療としてアレルゲンと接触していくアレルギー免疫療法(かつて減感作療法と呼ばれていました)というものがあります。これは、原因アレルゲンが特定できたら、そのアレルゲンを低濃度から計画的に注射または、経口で摂取していく治療方法です。まだ、ダニ、スギ花粉など少数のアレルゲンでしか実施できませんが、専門医に相談してください。

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