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アレルギーの病気についてQ&A

気管支喘息(成人)

Q1 吸入ステロイド薬の使用方法について教えてください。

A

吸入ステロイド薬には、自分の力によって薬剤を吸入するドライパウダー製剤(フルタイドディスカス®、パルミコート®)と加圧ガスによって吸入するエアゾール製剤(フルタイドエアー®、キュバール®、オルベスコ®)があります。ドライパウダー製剤は、薬剤を吸い込むときにある程度強く吸入する必要があります。一方、エアゾール製剤は、タイミングを合わせる必要があり、うまく吸入できない場合は補助器具を使用すると効率よく吸入できます。いずれの製剤も気管支の末梢まで薬が達しないと十分な効果が得られないので、それぞれの吸入薬にあった吸入法で適切に吸入する必要があります。また、声がれや口腔カンジダなどの副作用予防のため、吸入後はどの製剤もうがいが必要です。

Q2 吸入ステロイド薬の副作用について教えてください。

A

吸入ステロイド薬の副作用は、局所性には咳、のどの違和感、声のかすれ、口腔内真菌(かび)症などがあり、予防や症状軽減対策のためにうがいやスペーサーなどの吸入補助具が使用されます。吸入ステロイド薬は病変部に直接作用するため使用量が微量で、吸入に伴い消化管から吸収されるわずかの薬剤も肝臓で分解されるため、一般的な吸入量では注射薬や内服薬に比べ成長障害、骨粗鬆症、肥満、免疫機能の低下、白内障などの全身性の副作用はきわめて少ないとされます。

Q3 早期介入(Early intervention)について教えてください。

A

喘息では咳喘息や週に1回以上発作を起こす軽症喘息から慢性的に症状がある持続型喘息に至るまで、喘息の本態である気管支の炎症を抑えるために早期から吸入ステロイド薬を中心にした治療を開始、継続することが有効であることがわかってきました。早期の治療開始の結果、日常生活の制限の改善、発作に伴う入院日数の減少、救急外来受診回数の減少、呼吸機能の改善、重症化の予防、また喘息治療に関わる医療費も減少することなどがわかっています。

Q4 短時間作用性吸入β2吸入薬の使用方法について教えてください。

A

短時間作用性吸入β2吸入薬は喘息発作の改善や運動により誘発される発作予防などの目的で用いられます。吸入薬はネブライザーや携帯型ハンドネブライザーを用いた方式があります。ハンドネブライザーを使う時は、息を吐いて、その後吸い込みながらガス型はボンベを1回強く押しながら、また吸入パウダー型はボタンを押しながら薬を吸い込み、吸い込んだ状態で数秒間息を止め、そのあとゆっくりはきだします。効果が芳しくない場合は約20分後に再度吸入し、回復しない場合は再度反復(2~3回まで吸入)し、改善がなければ必ず病院を受診することが必要です。なお薬により1回あたりの吸入回数が異なります。主治医によく相談してください。

Q5 経口ステロイド薬の処方について教えてください。

A

短時間作用性吸入β2刺激薬を使用しても症状の改善やピークフロー値の回復がない場合にプレドニゾロン換算で1日あたり0.5mg/kg体重の量のステロイド薬を症状や状態に合わせて、3~7日間投与しながら吸入ステロイド剤に移行するのが一般的です。患者が手持ちのステロイド薬を家庭に有していて、ピークフロー値や症状から患者が判断して服用するような喘息の自己管理に有用と考えられます。ただこのような自己管理は普段から患者と医師がよく治療について話し合い、患者が喘息状態の把握や治療法について十分な理解を持っていることが必要です。

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